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<宮(きゅう):張緑水(チャンノクス)ストーリー>公演後記

先日ご紹介したArtInsighの他のブロガーさんが新しい公演後記をアップしてくださったのでご紹介します。
以下は日本語訳となりますが、分かりやすいように直訳ではありません。
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2018 貞洞劇場常設公演
<宮(きゅう):張緑水(チャンノクス)ストーリー>

 

 

#プロローグ
公演を観に行った日は、ずっと続いていた寒さも和らぎ日差しもとても暖かい日だった。公演に対する期待感に良いお天気でもうすでに幸せな気分で貞洞劇場へ向かった。貞洞劇場は徳寿宮のトルダムギルに沿って歩いていくと到着するが、この道を歩いていけば”貞洞文化祭り”が開催されていて様々な物が売られていた。出店されているお店を見ながら歩き貞洞劇場に到着すると、まだ30分ほど入場に時間があるため、コーヒーを飲みながら待つことにした。コーヒーを飲みながら座っていようかとも思ったが、散策にとても良い天気だったので、貞洞劇場周辺を散策して、公演時間に合わせて劇場へ戻った。
劇場に入る否や、舞台の姿に私の心は奪われた。<宮(きゅう):張緑水(チャンノクス)ストーリー>と書いてある文字の背景に花びらが描かれており、張緑水という人物を表現していると思った。多くの人たちが知っている”権力を振りかざす悪女”と公演から表現しようとする”才能を持った芸人”というイメージが合わさったそんな雰囲気の舞台だった。
出演者たちが登場し公演が始まった。美しい妓生を見せながらも、観客たちの興味をそそりながら、観客たちのなから2名選ばれて、舞台の上で出演者たちと公演を盛り上げる雰囲気は、本格的な公演の始まりを予感させた。そんなこんなで本編の公演がスタートした。

#ノンバーバルパフォーマンス

 

 

公演が始まり、出演者たちが舞台に上がって雰囲気を盛り上げる部分から”なんだろう?”という疑問が浮かんだが、本格的にストーリーが展開されてこの疑問は解消できた。この公演は台詞を通じてストーリー展開するほかの公演と異なり、台詞のないノンバーバルパフォーマンス劇であった。(ノンバーバルパフォーマンスとは台詞がなく動作と音楽だけで展開するパフォーマンスで、非言語劇と呼ばれることもある。)この公演がノンバーバルパフォーマンスであることを公演が始まるまで知らず、はじめは何で台詞がないのかと疑問に感じた。事前に見た公演についての情報でもノンバーバルパフォーマンスであることを見た記憶がなく、珍しい公演だなと感じた。しかし以前観覧した”ナンタ”という公演でノンバーバルパフォーマンスを観た経験があったので、最初は驚いたが一緒に観覧した母と台詞がなく動作だけでストーリーが展開するこの公演はすごいと話した。

公演が始まってノンバーバルだと知り心配事が1つあった。ストーリーの内容把握だ。この公演は軽い感じの内容ではなく、歴史的事実を背景に構成されている話で、台詞がない中内容を理解できるかという心配だった。しかしながら、公演の幕が始まるごとに舞台横のスクリーンにどんな場面か流れるので、理解することができた。この舞台横のスクリーンに流れる説明のおかげで外国人のお客様たちも簡単に理解できると感じた。公演を観覧しているお客様たちは韓国人より外国人が多かった。外国からのお客様たちを考えれば、韓国語でストーリー展開するよりも台詞なく動作などでストーリーが展開されていくほうが観やすいのだろうと思った。

#演出
ノンバーバルパフォーマンスのためか、演出的にはとても素晴らしかった。特にいまだに頭の中に残っている場面が2シーンあるが、公演が終わってもなおまた蘇るほどである。

 

 

2つの場面のうち1つは張緑水が臣下たちから圧迫をうけるシーンである。張緑水と燕山君が仲良く戯れ、燕山君が袞竜を脱ぎ、それを張緑水が着てまた戯れている最中に臣下たちが現れ、張緑水へ圧迫するシーンだ。この圧迫の場面を表現するために使われたのが鼓だ。鼓を肩に掛けながらたたき、臣下たちから逃れている空間を表現した。臣下たち避け、逃げながら、また戻り臣下たちの鼓をたたきながら防御する姿を見せた。逃げては戻り、攻撃しては防御しての繰り返しが緊張感を高めた。この場面から王の袞竜を着て、権力対する欲望を持ちながら同時に王宮内では臣下たちからの攻撃を受けてる様子が台詞がなくてもよく表現されていて伝わった。

もう1つの場面は燕山君を圧迫する臣下たちの場面である。遊びばかりに興味ある燕山君に対して臣下たちが封事で巻きつけながら圧迫する場面である。この場面の演出が、この公演の中で最高の場面だと個人的には思うほど、いまだにその場面がしっかりと焼きついている。最初は1人の臣下が封事を持ち、、王の前で封事内容を申すだけであったが、その後に何人もの臣下たちが封事をもって同じように燕山君に対して物申すが燕山君は聞く様子もなく、徐々に臣下たちの不満が大きくなり、結局臣下たち全員で燕山君を圧迫し始めた。この圧迫シーンは封事で表現された。燕山君を中心において、臣下たちそれぞれが封事を広げるととても長い封事であった。長い封事を広げて、それぞれ端を持って、燕山君の腰に巻きつけた。この場面では国のことを何も考えてない王についての不満が一気に高まり、封事で巻かれる燕山君が可哀想な哀れな王であることがうまく演出されていた。

また圧迫する姿だけでなく違う部分もとても良く演出されていた。封事で巻かれた可哀想な燕山君のために、張緑水は刀を持ってきて、その刀を受け取った燕山君がなりふり構わず振り回した。青の照明が、臣下たちが切られる度に光り、全員の臣下たちを切った後には赤の照明に変わった。この赤の照明が血の色を表現して凄まじい争いだったことを表現した。

この2つの場面がとても印象に残る場面であったが、ノンバーバルだったからこのようなシーンができたのではないかと思った。一般的に公演は台詞を通じて状況なども説明されるが、ノンバーバルとして展開されるこの公演はそれはできない。台詞では説明できない分、演出でその状況を理解させないといけないので、演出がとても難しいと理解できる。より良いシーン作りのために、小道具、照明、音響、動作などを効果的に使える方法を模索するという努力が素晴らしい場面を表現できることにつながると考える。
 
#ストーリー

演出の素晴らしさに感動したが、それと同時にストーリーもとても素晴らしいものであったか?大満足した演出に比べるとストーリーは少し残念だった部分もあった。実際公演を観る前からこの公演に対する期待感は大きかったが、ストーリーは期待通りではなかった。私たち一般的に思い浮かぶ”朝鮮時代の3大悪女、妖女”というイメージではなく”芸人”としてのイメージでアプローチした内容だった。この歴史的事実について新しいアプローチで展開することは論難が持ち上がることであるし、その部分については注意深くみる必要がある。

しかし残念ながらこの念慮は公演が終わってもまだ私の中に残っている。どんどんとこの念慮は大きくなっている気がする。まずこの公演は”芸妓張緑水”というアプローチで展開されているが、公演を観ながら、”芸妓”といわれるほどその芸妓の部分を公演で観る事ができなかったように思う。張緑水が他の出演者たちとの実力との差異が見受けられなかった。この部分に関しては他の出演者たちの実力が素晴らしく、舞踊についての知識が疎い私が言うべきことではないのかとも思う。しかし少し歴史的に観て論難が持ち上がると言う点について書き残しておこうと思う。
他の観客たちがどのように観たか分からないけれど、私個人的には張緑水が”悪女”にも”芸人”にも見ることができなかった。王を愛する女性にしか見えなかった。さらにもうちょっと張緑水と燕山君、斉安大君の三角関係についても描いてほしかった。この公演を全部観て、劇場をあとにして歴史的に歪曲されたドラマとして論争されたドラマ”チャン・オクチョン”が思い浮かんだ。このドラマでは”朝鮮時代の3大悪女”と呼ばれるチャン・ヒビンが粛宗を愛する女性として描かれて事実と歪曲されているのではないかと言う話が出たが、この公演も似たような印象を持った。燕山君に恋をした張緑水が燕山君と一緒に過ごし、最後は一緒に亡くなると愛のストーリーのようだった。公演の主旨が”愛”ではないかという気持ちになった。
この部分に関してはもっと注意するべきだったように思う。張緑水について何も知らない多くの外国人たちが愛に生きる女性として記憶に残ることもあり、歴史的事実について歪曲したような部分についてはもう少し注意を払って展開されれば良かったと思う。

 

#エピローグ

 

公演のストーリー部分には少し残念な部分もあったが、それ以外はとても良い公演だった。実際韓国舞踊は韓国のもだけれども、よく観る舞踊ではない。この公演を観て韓国舞踊を観れることはとても良いことだ。またただ韓国舞踊を見せるだけでなく、昔の音楽に最近の踊りなどを合わせてのパフォーマンスで拒否感なく、初めて韓国舞踊を観た人でも楽しく観られる内容だったと思う。サムルノリも見ることもできてとても良い経験になった。
何よりも演出的にとても満足したので、他の人たちにもこの演出をぜひとも観てもらいたい。公演でこれ以上の演出はないと思われるほどの演出で、台詞がなくても表現できる最高の演出だという記憶に残った。言葉でこのように話しても、想像がつかないと思うので、劇場で公演をみていただければこの後記も理解していただけるように思う。私と同じような感想をもってくれたら嬉しいと思う。今年まで公演されるので、時間のある方たちはぜひとも劇場へ足を運んでもらいたい。
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